「いつかは沖縄に移住したい!」押さえておくべき衣食住の3つの視点

「いつかは沖縄に移住したい!」
観光で訪れた沖縄で、美しい海やエキゾチックな風土に魅せられ、そんな憧れを抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、移住することは「生活すること」。観光とは異なる視点で、沖縄での生活を想像してみることが大切です。
そこで今回は、沖縄移住を考える際に考えておきたいポイントを、生活の三大要素「衣・食・住」の3つの切り口から紹介します。
「その服、必要ですか?」移住を見すえて断捨離開始

それではまず、「衣」の視点から見ていきましょう。
沖縄の平均気温は23℃前後、最低気温は15℃程度
沖縄・那覇の年間平均気温は、23℃前後。東京の約16℃や大阪の約17℃と比較すると、年平均6~7℃程度高いです。最低気温は、冬場でも15度程度。東京1.2℃、大阪3℃に比べると、かなり温暖といえます。
また、最低気温が10℃を下回る月が、東京では11月~4月にかけて6カ月、大阪では12~3月にかけて4カ月ある一方、沖縄はゼロ。
ダウンジャケットや厚手のコートは、一切必要ありません。
ライフスタイルに合わせて服をまとう
沖縄に移住することで、職業やライフスタイルが変化することもあるでしょう。
- オフィスワークから制服のあるホテル勤務に
- 通勤から在宅勤務に
- スーツから動きやすい服装に
職業が変われば、日常的に着る服も変わります。社交の場における装いも、カジュアルなものが増えるかもしれません。
沖縄でのライフスタイルを想像して、手元にある服を着る機会があるかどうか、再検討してみましょう。
移住者が面食らう「カビ」

沖縄移住に際して服を減らす最大のメリットのひとつが、カビの予防です。
沖縄は、年間を通して高温多湿で、カビが生えやすい気候。油断していると、すぐに服や小物にカビが広がってしまいます。
中でも、革製品の靴や鞄などの小物類は、カビが生えやすいアイテムです。数を最小限に抑え、メンテナンスを欠かさないようにしましょう。
カビ対策のひとつとして、通気性を確保することが挙げられます。
クローゼットなどに服がぎゅうぎゅうに詰め込まれていると、空気がこもって風通しが悪くなるうえ、掃除がしにくくホコリが溜まりやすくなります。
通気性が悪くホコリの多い環境は、カビ菌にとってパラダイス。ただでさえ気温と湿度の高い沖縄では、あらゆる手を尽くしてカビを防ぎたいものです。
「食」よりもまずは「職」の検討を

続いて、「食」の視点から見てみましょう。
他地域と大差のない「食」事情
沖縄の食事情といっても、日本の他の地域と大きな違いはありません。
沖縄にもイオングループの「イオン」や「マックスバリュ」が点在していますし、沖縄発のスーパー「サンエー」もあります。一般的なスーパーで手に入る食材・食品は、たいてい手に入ると考えてよいでしょう。
一方で、「成城石井」や「紀ノ国屋」などのいわゆる高級スーパーは、ほとんどありません。
商業施設の一画に一部商品を扱っている場所が儲けられていたり、期間限定のポップアップショップのような形で出店することはありますが、常設店はほぼ皆無。ただし、離島向けの送料を惜しまなければ、通販を使うという手もあります。
また、せっかく沖縄で暮らすのなら、市場や商店で沖縄にしかない食材を手に入れて、郷土料理や創作料理を楽しむのもいいかもしれませんね。
求職?自営?リモートワークの選択肢も

沖縄に限らず、「食べる」ためにはお金が必要です。そこで、収入源としての「職」の検討は避けて通れません。
沖縄は、失業率3.7%(2021年1~12月)と、全国平均2.8%に比べて求職活動が困難な県です。有効求人倍率も0.8倍と1倍を下回っており、非正規雇用の割合(2017年値)も全国平均38.2%に対し、43.1%と高くなっています。職の選択肢は、他地域に比べて狭まるといえそうです。
もっとも、保育士など人手不足が深刻な職種では、移住費や家賃補助の支援制度が充実している職種もあります。必要な出費をまかなうに足りる仕事を、移住前に見つけておきましょう。
就職以外にも、自営業で生計を立てる道もあります。人気の観光地という強みを生かして、カフェやレストラン、ゲストハウスや雑貨屋を営む移住者も少なくありません。
また、リモートワークの導入が進んだ昨今、沖縄と他地域を行き来しながら、移住前の会社で働き続けたり、リモートワークができる会社に転職したりといった方法もあります。
いずれにせよ、検討事項としては、「食」そのものよりも、生業である「職」の重要度が高そうです。沖縄で求職するのか、自営するのか、はたまたリモートワークにチャレンジするのか、事前に検討しておきましょう。
賃貸?購入?あなたにとって「住みやすい」エリアとは?

さて、三つ目の「住」について。
賃貸か購入か
移住するには、住む場所が必要なことは言わずもがな。賃貸か購入か、購入なら新築か中古リノベか。「住みやすい」エリアも、家族構成や年齢層によって異なります。順に見ていきましょう。
まずは、「賃貸か購入か」問題。移住後、定住できるかどうかを見極める期間をもつためにも、最初は賃貸が無難かもしれません。
家賃相場は、一口に「沖縄」といってもエリアによってばらつきがあります。
例えば…
那覇市でも沖縄都市モノレール「ゆいレール」沿線の人気エリア「おもろまち」はワンルーム5万円台後半、1LDK8万円台後半、2LDK10万円台と、交通アクセスの良好なエリアの家賃相場は高い傾向にあります。
「沖縄への定住を決めて購入したい」という方のために、沖縄の不動産相場にも触れておきます。
夫婦+子ども2人のファミリー層向けのマンション(築10年、3LDK)の相場についてお伝えします。
築年数30年以上の物件であれば、モノレールからのアクセス良好で1,000万円台で購入できる物件もあるようです。
夫婦+子ども2人のファミリー層向け戸建て住宅(築10年、建物面積100㎡)の相場はこちらになります。
新築で土地付きの注文住宅を購入すると、建設費だけで3,000万円以上が見込まれます(住宅金融支援機構2021年度集計データ)。また、那覇市、浦添市、沖縄市などは、土地価格が近年急上昇しています。
リノベーションの程度にもよりますが、新築ではなく中古住宅を購入してリノベーションすることでコストを抑えるのも一案です。
「住みやすい」エリアはどこ?

最後に、住むエリアを決める際の検討事項について。
沖縄は、大都市と違って公共交通機関が乏しいのが現状です。
沖縄の主な公共交通機関は、モノレールかバス。那覇市と浦添市を走るモノレールは、「那覇空港駅」から「てだこ浦西駅」までを、片道約40分で結んでいます。
路線バスは、沖縄本島全域を運行しており、北部の名護方面にも高速バスが運行しています。ただ、便数は限られており、利便性は低いです。
車移動の注意点は、交通渋滞が起きやすいということ。
沖縄は地元の人々と観光客が入り混じり、特に通勤時間帯は渋滞しやすいので、車通勤を想定するなら、この点を踏まえて住むエリアを決めるとよいでしょう。
子どもがいる生活なら、学区や防犯、公園の有無など、子育てに適するエリアかどうかもチェックしておきたいところです。一方、老後を見据えるなら、交通アクセスや病院の有無が重要になってきます。
例えば、沖縄市は、40代以下の世代が多く居住し、認可保育施設だけでも78施設、それ以外にも数多くの保育園・幼稚園があります。子育て世代にとって、住みやすいエリアといえるでしょう。
シニア世代には、公共交通機関や総合病院などの医療体制が充実しているエリア「那覇市」にメリットがあります。ただ、車移動が可能、かつスローライフを楽しみたい方には、北部の名護市内の総合病院近隣のエリアもおすすめです。
まとめ:「衣・食・住」の三つの視点から準備しよう
移住後の生活を想像するとワクワクしますが、検討しなければいけないことは山積みです。移住を成功させるためにも、家族構成や年齢層、思い描くライフスタイルなどに照らして、「衣・食・住」の三つの視点から、移住に向けた準備を整えましょう!