コラム

沖縄は逆?日本の住宅戸数は“世帯数”より多い

kyankengo

日本には住宅にまつわるさまざまな課題がたくさんあります。
そのうちの一つとして世帯数より「住宅戸数が多いこと」が代表例として挙げられます。

なんと、日本における空き家の数は846万戸も存在するんです!

総務省が2018年に発表した調査内容によると、空き家率(住宅総数に占める空き家の割合)は13.6%と過去最高の割合になっております。

5年前に比べ、26万戸も増えている…

ちなみに沖縄県内は、全国でも下から2番目と空き家率がとても低いんです!

https://iekimeru.com/life/okinawa_akiya/

住宅戸数は世帯数より多い

30年以上前から、全ての都道府県において「住宅戸数」が「世帯数」を上回っています。実は、住宅の量的な不足が解消されていたのです。

現在、日本の総住宅数は約6000万戸と言われています。そのうち800万戸が空き家と定義されております。

日本の総世帯数はおよそ5700万世帯。
人口が減少しているのにも関わらず、世帯数が大きく増加しているんです。

外国人を含めるとおよそ5800万世帯、住宅とほぼ同等の数に値します。

単独世帯、各家族が増えている

世帯数が増加している理由として、1世帯当たりの家族構成人員が2.18人と減っていることが上げられます。

日本における1世帯当たりの家族数はほぼ2人とされているため、賃貸などに住まわれる方が多いことが分かります。

減少する新築住宅の着工数

新築住宅の着工数は年々減少しており、バブル期には年間160万戸以上の新しい住宅が建っていました。

そこで都心部の土地価格が高騰。離れた場所にも通勤者用の住宅が建ち、一方で都市部には投機用のワンルームマンションなども多く建てられました。

バブル崩壊後は着工数は激減しましたが、ローン金利や税制の優遇などの対策によりなんとか持ち直したとされています。

沖縄県内でも新設住宅着工数は2017年度から4年連続で減少しています。2021年度は9,315戸(前年度比9.9%減)で最も低い水準となっています。

耐震偽装問題

1996年の消費税アップ前に駆け込み需要があり、その際に再び160万戸台に達しておりますが、

それは特需となり120万戸で落ち着き始めました。

その後、耐震偽装問題などをきっかけに建築確認が厳しくなり、100万戸から80万戸まで減少。

この耐震偽装問題ってよく聞く『姉歯問題』のことでしょうか。

建物を建築する場合、「地震が起きてもこの建物は大丈夫ですよ!」という”構造計算書”というものを発行しますが、この計算書を偽造したのが姉歯元設計士。地震大国の日本にとって、耐震基準を満たしていないマンションやホテルが建設された事は、人の命や財産に関わってくる事なので、大きな社会問題となった。

沖縄の人口は今後減少に転じる

日本の人口は2005年をピークに減少に転じています。
現在の日本の人口は1億2500万人と言われており、1年で30万人減少しております。

沖縄県内の2021年の総人口は前年比の0.06%(900人)増の146万人8400人でしたが、今後は減少に転じる見込みと発表されました。

これから日本全体で人口がますます減っていく事は予想されます。

今後の新築着工戸数はさらに減少

10年前に建てられた住宅から寿命は60年とされているため、今後の新築着工戸数はさらに少なくなっていくと考えられます。

今後、総住宅数と総世帯数の関係で見ると、およそ1000万戸が空き家になっていく計算になります。

しかし古く狭い空き家も多い事から、このうちの半分程度が賃貸・売却用途して使用できるとされています。

住宅需要とストックのミスマッチ

日本における住宅の戸数は十分に足りている事が分かりました。

また広さと長寿命化が求められている日本の住宅ですが、実は需要とストックに大きなミスマッチ(ズレ)が潜んでいます

65歳以上の単身および夫婦の持ち家世帯のおよそ6割が、100平方メートル(約30坪)以上の広いお家に住んでいるんです。

一方で4人以上家族の3割が100平方メートル未満の住宅に住んでいます。
家族なら125平方メートル(約38坪)以上の広さは確保したいですね…

そのため中古住宅などの流動性が求められています。

都道府県別 空き家ランキング(沖縄は下から2番目)

都道府県別の空き家率ランキングをご紹介します。沖縄県は下から2番目で10.2%でした。

空き家率ランキング(高い順)

① 山梨県  21.2%
② 和歌山県 20.3%
③ 長野県  19.5%
④ 徳島県  19.4%
⑤ 高知県  18.9%

空き家率ランキング(低い順)

① 埼玉県   10.2%
② 沖縄県   10.2%
③ 東京都   10.6%
④ 神奈川県  10.2%
⑤ 愛知県   11.2%

空き家数ランキング

① 東京都   809,000件
② 大阪府   709,000件
③ 神奈川県  483,000件
④ 愛知県   391,000件
⑤ 千葉県   381,000件

 東京は空き家率は低いものの、数はかなり多い事が分かります。

まとめ

今回の記事では日本における住宅数をベースに、現状について解説しました。

  • 世帯数より、住宅戸数の方が多いため更なる空き家増加が懸念される
  • 空き家解決策として、中古住宅の流動性が求められる
  • 各都道府県で空き家率は10%がベースとなっている事を把握しておく

まだまだ日本の住宅事情は問題点が多いですが、まずは中古住宅の流動性をよくしていく事が、空き家問題の解消に繋がるのではないでしょうか。

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