コラム

中古は不安……という方へ。おウチの健康診断「ホームインスペクション」とは?

イエキメル編集部

中古住宅ってどのくらい耐久性があるか、一般の人にとって調べるのは難しい……
なぜ中古でこんなに価格が高いのか気になる……

その疑問、解決しましょう!

この記事では、中古住宅の購入を検討している方に向けて、中古住宅を選ぶ際にその住宅にどのくらいの性能があるのか、プロ目線で判断された内容を購入者が知る事ができる制度について解説します。

自分の”目利き”を鍛える事で、理想の住まいを見つけてくださいね。

ホームインスペクション(住宅診断)とは?

ホームインスペクション(住宅診断)とは、「住宅の健康診断」の事を指します。

人間にとっての健康診断のようなものであり、住宅の状態をいくつかチェックする事で、本当にリフォームを必要としている箇所が明確になります。

ホームインスペクションをする事によって、物件を選ぶ際の判断材料ともなるため、これから中古住宅が注目される中、このような知識を購入者が持っておく事は必須と言えるでしょう。

ホームインスペクションは、プロが第三者の目で判断する!

不動産業界と言うと、販売する側と購入する側では情報の差が物凄くあり、購入する際に本当にこの住宅の状態が正常なのか分からないですよね。

車のような車検制度は住宅において存在しないので、もしかしたら住宅の見えない所は何か異常があるかもしれません。

しかし、ホームインスペクションを行う業者さんは正式な資格を持った「住宅のプロ」。

また、販売する側と購入する側の間に立って診断をするため「中立の立場」で住宅の状態を判断する事ができます。

ホームインスペクション JSHI公認「住宅診断士」とは?

住宅診断士とは、住宅のプロとして建築・不動産取引・住宅診断方法などにおける一定以上の知識を持つ事で住宅の判断ができる民間の資格になります。

住宅の劣化状況や欠陥を実際の目で確認し、メンテナンスが必要かどうかを購入者と販売者において、”中立の立場”でアドバイスをする専門家です。

JSHI公認住宅診断士とは「NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会」が公認した住宅診断士のこと。

日本ホームインスペクターズ協会のホームページでは、全国の公認ホームインスペクターを検索することもできます。

ホームインスペクションが診断する内容とは?

住宅診断士が診断する内容としては、住宅の基礎・外壁などのひび割れやその他の欠陥などを確認します。

その結果を販売する側(不動産会社や物件オーナーさん)に報告をする事で、”住宅の信頼”を維持する事ができます。

住宅というのは、壁の内側や床の下、天井の中など普段見えない部分が多いのが特徴ですが、そのような”住宅の見えない所”を確認し、診断をする事で本当の住宅の状態がわかるようになります。
 
また住宅性能表示制度では、お家の構造や火災時の安全性などを診断するのに対し、住宅診断では内装や設備なども確認し、使用上の不具合や問題はないかを確認してもらえます。

仮に修繕が必要となった場合でも、”どこをどのくらい”修繕すれば良いのか依頼者自身も判断ができるので、ご自身の予算や時期などに合わせて工事が可能となり、とても効率よくお家の修繕ができるでしょう。

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ホームインスペクションの種類について

住宅診断と言っても、住宅を全体的に診断するタイプから、数カ所や一部分だけを行うタイプなど用途は様々存在します。

そこで住宅診断の種類とそれぞれメリットについて下記にまとめてみました。

一次的インスペクション

【内容】
一次的インスペクションとは、既存住宅の現状を把握するための一般的な住宅診断とされており、住宅の状態を把握させるために用いられた内容となっております。

【メリット】
一般的な住宅診断となりますので、販売する側にとっては住宅の状態を明確に購入者に伝達する事ができるため、購入後のトラブルを避けることだけでなく、購入者に安心して販売をするメリットがあります。

二次的インスペクション

【内容】
二次的インスペクションとは、一般的なインスペクションは住宅の状態を理解する事に対し、その問題がどこが原因となっているのか”問題の根っこ”を調べる事ができる診断になります。

そのため、一次的インスペクションに比べより深く状態を調べる事を指しますので、築年数がより経過している住宅にとってはここまで行う事が良いでしょう。

【メリット】
原因を特定する事ができるため、二次災害を防ぐ事ができるだけでなく、問題を根元から解決する事ができるため、購入側だけでなく、売却する側にとっても販売できる大きな役割を果たしております。

性能向上インスペクション

【内容】
性能向上インスペクションとは、最初からリフォームやリノベーションを前提としている住宅において、ただ工事を行うのではなく、住宅の問題を一旦確認をした上で工事に入るインスペクションになります。

特に高齢者向けのバリアフリーリフォームを前提している場合に行われるケースが多いのが特徴です。

【メリット】
リフォームやリノベーションを実施した後は住宅の使い勝手はよくなるのは当たり前ですが、性能向上インスペクションを行った場合は、住宅全体の”性能”が上がります。

リフォームだけでは得られないような性能を用いた住宅に生まれ変わるメリットがありますね。

ホームインスペクションの注意点

住宅インスペクションはメリットが多数ありますが、一般的な診断費用は購入者が負担する事になります。

もちろん場合によっては、物件を管理する不動産会社が負担することもあり得ます。しかしほとんどの場合は、”住宅診断を依頼する側”が負担するケースが多いでしょう。
 
【住宅診断の相場について】
住宅診断に掛かる費用:おおよそ50000円〜
※あくまで目安相場となりますので、参考にしてください。
 
また中古住宅として販売する側から、「ホームインスペクションをやらない代わり、その分の住宅費用を割引できます」と言うフレーズを言われた場合は注意が必要です。

理由としてはインスペクションを行う事で本当はおおやけにしたくない、住宅の状態が明確になってしまうため、販売する側にとってはあまりオススメしてこないケースもあります。

その辺りはご自分で状況を判断しましょう!

住宅性能表示制度について

最後に『住宅性能表示制度』について解説を行います。

住宅性能表示制度とは?

住宅性能表示制度とは、「住宅の品質確保」をするために設けられた制度の事を指し、特に購入者に対して物件の情報を開示する制度となります。

評価するのは国が認めた第三者機関が定められた基準を元に評価するため、購入者にとってはその物件の評価を確認する事ができるため、安心して住宅を購入できる制度となります。

住宅性能表示制度は2002年に「中古一戸建て」にも導入済み

新築住宅には、全てが新しい設備となるため性能性や耐久性はある程度保証がされております。

しかし、中古住宅の場合市場に出る前は他の人が住んでいたという事もあり、どのような生活をされて、住宅がどのような状態なのか気になります。

特に築年数が経過している物件に関しては、購入する側にとっては判断が難しく、これが中古住宅の取引が活発化しない理由の一つともされております。

2002年から中古住宅にも導入がされている事から、これから中古住宅を購入される方は、見学をする物件に対して「住宅性能評価書」の確認をしてみましょう。

この証明書がついている事で、その住宅について詳しく知る事ができます。そのためこのポイントは抑えておきましょう。

住宅性能評価付き物件のメリット

・金融機関から融資を受ける際に有利になる(フラット35でも適用可能)
・万が一住宅でトラブルが起こってしまった場合でも、専門機関が対応してくれる
・国が認めた機関が評価するため、安心して購入ができる
・その住宅自体に資産価値があるため、将来物件を売却する際にも有利になる。


 

まとめ

住宅選びの一つの基準として、このような知識をお持ち頂ければ、これから住宅探しをされる方にとっても優良物件の選び方がわかってくると思います。

また、今回ご説明した内容に付きましてはそれぞれ物件を管理する会社によって、対応など異なってくる場合もありますので、その都度確認をすると良いでしょう。

記事のまとめ

・人間と一緒で、住宅も診断をする事が可能である。
・住宅診断は、入居後でも実施可能なためタイミングに合わせて実施可能。
・中古物件を探す際は、住宅性能評価付きかどうか確認をすると、優良物件に巡り合えるチャンスが広がる。

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